ドレミファソラシドの英語表記の真相!なぜAでなくCから始まるのか
私たちが幼いころから親しんできた「ドレミファソラシド」。音楽の授業やピアノの練習で当たり前のように口ずさんできたこのフレーズですが、実は英語ではないという事実をご存じでしょうか。海外のミュージシャンとセッションしたり、英語圏の楽譜を開いたりした際、「Do-Re-Mi」と言っても音名として通じず、戸惑うケースは珍しくありません。
現在、世界のポピュラー音楽やDTM(デスクトップミュージック)、バンドスコアの現場で標準となっているのは「C・D・E・F・G・A・B」という英語音名です。本稿では、ドレミの真のルーツや英語表記の正しい読み方・発音、さらには「なぜアルファベットのAではなくCがドになるのか」という音楽史の構造的理由まで、専門的かつ実践的な知見を交えて徹底解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「ドレミ」は英語ではなくイタリア語由来の階名であり、英語圏の絶対音名は「C・D・E・F・G・A・B」が標準。
- 要点2:「ド=C」から始まる理由は、中世音楽で基準だった「ラ=A(短調)」から、近世以降に「ド=C(長調)」が基準へと移行した歴史的経緯にある。
- 要点3:英語・ドイツ語・日本語の音名体系と「音名・階名の違い」を理解することで、コード理論や楽器演奏の習得効率が飛躍的に高まる。
【衝撃の事実】「ドレミ」は英語ではない?発祥の歴史と世界の表記体系
世界中で歌われている「ドレミ」の原点は、11世紀のイタリアにあります。ベネディクト会の修道士であり音楽理論家でもあったグイード・ダレッツォが、聖ヨハネ賛歌『Ut queant laxis(汝の僕が)』の各節の歌い出しの音(Ut-Re-Mi-Fa-Sol-La)を用いて声楽の音程を指導したことが、ドレミイタリア語由来の明確な起源です。のちに発音しにくい「Ut(ウト)」が主を意味する「Dominus」にちなんで「Do(ド)」に改められ、第7音の「Si(シ)」が加えられて現在の形が完成しました。
一方、現代のグローバルスタンダードである英語音名CDEFGABは、アルファベットを用いた絶対的な音の表記法です。英語圏では日常の会話や楽譜の指示において、ドレミではなくアルファベットで音を伝えます。
ドレミファソラシド英語表記とドレミファソラシド英語読み方・ドレミファソラシド英語発音の対応関係は以下の通りです。
- ド = C(読み方:シー / 発音:/siː/)
- レ = D(読み方:ディー / 発音:/diː/)
- ミ = E(読み方:イー / 発音:/iː/)
- ファ = F(読み方:エフ / 発音:/ɛf/)
- ソ = G(読み方:ジー / 発音:/dʒiː/)
- ラ = A(読み方:エイ・エー / 発音:/eɪ/)
- シ = B(読み方:ビー / 発音:/biː/)
アメリカやイギリスの音楽教育現場では、これらをそのまま発音して音階を把握します。クラシックの伝統が強いイタリアやフランスではドレミが絶対的な音名として機能していますが、ポピュラー音楽やジャズの世界では英語表記が事実上の世界共通語です。

【最大の謎を解明】なぜAではなくCから始まるのか?音楽史が明かす決定打
誰もが抱く最大の疑問が、「アルファベットの最初であるAが『ド』ではなく、なぜ『ラ』に割り当てられ、ドはCから始まるのか(ドレミファソラシド英語なぜCから)」という点です。この謎を紐解く鍵は、古代ギリシャから中世ヨーロッパにかけての音楽理論の変遷にあります。
中世の教会音楽(グレゴリオ聖歌など)の時代、音楽の基準となっていたのは現在の「イ短調(Aマイナー)」に相当する旋法(エオリア旋法やヒポドリア旋法など)でした。当時の基準音階の中で最も低い実用音、あるいは基本となる音にアルファベットの最初の文字である「A」を割り当てたため、A=ラ、B=シ、C=ド、D=レ、E=ミ、F=ファ、G=ソという順序が固定されたのです。
転機が訪れたのは16世紀から17世紀のルネサンス・バロック期です。長音階(メジャースケール)の響きが明るく安定していることから、音楽理論の中心が「ラ(A)から始まる短音階」から「ド(C)から始まる長音階(ハ長調)」へと劇的にシフトしました。臨時記号(シャープやフラット)を一切使わずに弾ける最も自然な長音階が「C Major(ハ長調)」であったため、アルファベットの配列(A・B・C...)はそのままに、音階のスタート地点として「C」が主役の座に躍り出ることになりました。
一目でわかる国際比較表|英語・ドイツ語・日本語・階名の完全対照
音楽用語は国やジャンルによって使われる言語体系が大きく異なります。日本のクラシック界で今なお多用されるドイツ語音名との違いや、学校教育の楽理で登場する日本語音名ハニホヘトイロハを含め、それぞれの体系を整理した比較データは以下の通りです。
| 階名(イタリア語由来) | 英語音名(ポピュラー/国際標準) | ドイツ語音名(クラシック系) | 日本語音名(伝統的楽理) |
|---|---|---|---|
| ド(Do) | C(シー) | C(ツェー) | ハ |
| レ(Re) | D(ディー) | D(デー) | ニ |
| ミ(Mi) | E(イー) | E(エー) | ホ |
| ファ(Fa) | F(エフ) | F(エフ) | ヘ |
| ソ(Sol) | G(ジー) | G(ゲー) | ト |
| ラ(La) | A(エー / エイ) | A(アー) | イ |
| シ(Si / Ti) | B(ビー) | H(ハー)※注1 | ロ |
※注1:ドイツ語では「シのナチュラル」を「H(ハー)」、「シのフラット」を「B(ベー)」と表記・発音する極めて特殊なルールが存在します。日本の吹奏楽やオーケストラで「B-dur(ベー・ドゥーア=変ロ長調)」と呼ばれるものはこれに該当します。

【実態検証】英語圏の音楽現場と「ドレミの歌」に隠された言語的工夫
ミュージカル映画の名作『サウンド・オブ・ミュージック』で世界的に有名になった「ドレミの歌」。映画のヒットにより「英語圏でもドレミで歌う」というイメージが定着しましたが、ドレミの歌英語歌詞を精査すると、英語圏ならではの高度な言葉遊びと言語的アプローチが見えてきます。
英語原曲の歌詞は、発音がまったく同じ別の英単語(同音異義語)を巧みに当てはめて構成されています。
- Doe(ドゥ / 雌ジカ):a deer, a female deer
- Ray(レイ / 一筋の光):a drop of golden sun
- Me(ミー / 私自身):a name I call myself
- Far(ファー / 遠い):a long, long way to run
- Sew(ソウ / 針で縫う):a needle pulling thread
- La(ラ / ソの次の音):a note to follow Sew
- Tea(ティー / 紅茶):a drink with jam and bread
ここで注目すべきは、日本語版の「シは幸せよ」にあたる部分が英語では「Tea(ティ)」になっている点です。英語圏のソルフェージュ(音感教育)では、頭文字が「Sol」と重複する「Si」を避け、「Ti(ティ)」と発音・表記する方式が定着しています。映画の中でのドレミは、音そのものの絶対名ではなく、子どもたちが音程の階段(音階の構造)を楽しく体得するための「知育ツール」として位置づけられています。
一般に知られていない盲点とネットの誤解|音名と階名の違い
音楽初心者が最もつまずきやすいのが、「音名と階名の違い」を混同してしまう現象です。この2つは似ているようで、音楽理論上はまったく異なる概念です。
音名(Pitch Name)とは、物理的な周波数に直結した「固定された音の高さ」を指します。「440Hzの音=A音(ラ)」のように、曲の調(キー)が何であっても音名が変わることはありません。英語のCDEFGABや日本語のハニホヘトイロハはすべて音名です。
対する階名(Syllable Name)とは、特定の調における「音階上の相対的な役割・位置づけ」を表します。主音(キーの中心となる音)を常に「ド」とみなして歌う方式を「移動ド唱法」と呼びますが、この場合のドレミは単なる相対関係の記号です。
ギターやピアノコード英語表記(C、Am、G7など)を見る際、これらはすべて「絶対的な音名」をベースに構成されています。「Cコード」はC(ド)・E(ミ)・G(ソ)の3つの固定された音の和音を指しており、移動ドの概念とは明確に区別して理解する必要があります。
【プロの結論】音楽学習・DTM・バンド演奏における表記選びの判断基準
2026年現在の音楽制作および演奏シーンにおいて、どの表記法を優先して習得すべきかは、プレイヤーの活動目的によって明確に分かれます。
- 英語表記(CDEFGAB)を最優先すべき人:DTM・作曲を行うクリエイター、バンドマン、ギター・ベース奏者、ジャズ・ポピュラーピアノ学習者。DAWソフト(Logic、Cubase、Ableton等)のピアノロールやコード理論は100%英語音名が前提です。
- イタリア語・ドイツ語・日本語の理解が必要な人:クラシックの声楽専攻者、オーケストラ・吹奏楽団に所属する管弦楽器奏者、音楽大学の楽理試験を受験する学習者。伝統的なクラシックの現場ではドイツ語音名(ツェー、デー、アー等)が共通言語として機能しています。

一瞬で覚えられる!ドレミとCDEFGABのシンプルな紐付け術
これから英語表記を完璧に頭へ叩き込みたい人のために、現場で実証されている最も確実なドレミファソラシド覚え方を2つ紹介します。
1. 「ラ=A」を起点にするアルファベット整列法
音階を「ド」からではなく、あえて「ラ」から並べ替えてみてください。「ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソ」の並びは、見事にアルファベット通りの「A・B・C・D・E・F・G」になります。楽器のチューニングで使われる基準音「時報のピ・ピ・ピ・ポーン」の音が「ラ(A=440Hz)」であることとセットで覚えると、記憶に強固に定着します。
2. 「CD(コンパクトディスク)=ド・レ」のアンカー法
鍵盤を前にした際、2つ並んだ黒鍵の左下が「ド(C)」です。「C・D = ド・レ」という強烈な語呂合わせをアンカー(錨)として固定すれば、そこから「E=ミ」「F=ファ」と芋づる式にアルファベット順で導き出すことができます。
【ドレミファ ソラシド 英語】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:海外のバンドメンバーに「ドの音を出して」と伝えたい場合、何と言えばいいですか?
A1:「Play a C note, please.」のようにアルファベットの「C(シー)」を使って伝えてください。「Do」と言っても階名の相対的な音と解釈されるか、意味が通じないケースが大半です。
Q2:楽譜の「♯(シャープ)」や「♭(フラット)」は英語でどう読みますか?
A2:音名の後ろにそのまま付けます。例えば「C♯」は「C sharp(シー・シャープ)」、「B♭」は「B flat(ビー・フラット)」と発音します。ドイツ語の場合は「Cis(チス)」「Bes(ビス/ベー)」のように語尾が変化しますが、英語は単純にシャープ・フラットを後置するだけです。
Q3:なぜ日本の学校教育では「ハニホヘトイロハ」を教えるのですか?
A3:明治時代に西洋音楽を導入した際、日本の伝統的な五十音やいろは歌を用いて体系化した名残です。現在でも「ハ長調(C Major)」「イ短調(A Minor)」といった調性名(キー)の正式名称として公的教育の教科書に残っています。
Q4:音階の「シ」はなぜ英語圏で「B」と「Ti」の2つの呼び名があるのですか?
A4:絶対音の名称としては「B(ビー)」を用い、歌唱時の相対的な階名(ソルフェージュ)としては「Ti(ティ)」を用いるためです。「Si」だと「Sol」と混同しやすいため、19世紀のイギリスの音楽教育者サラ・グラヴァーによって「Ti」に改変された歴史があります。
まとめ:グローバル標準の英語音名をマスターして音楽をもっと深く楽しもう
幼少期から親しんできた「ドレミ」は、歴史あるイタリア発祥の美しい階名体系です。しかし、現代のポピュラー音楽、DTM、セッション演奏の現場では、英語音名(C・D・E・F・G・A・B)を共通言語として扱うスキルが不可欠となっています。
「なぜドがCなのか」という歴史的背景や、音名と階名の根本的な違いを理解すれば、コード理論の習得や楽器演奏の読譜スピードは劇的に加速します。「ラ=A」という原点を意識しながら英語音名を日常のトレーニングに取り入れ、音楽の解像度を一段階引き上げてみてください。 (出典: ドレミファ ソラシド 英語(Yahoo!ニュース))